提案したテーマについて
株式会社MINORICAは、植物が光合成によってつくり出すエネルギーに着目し、気候変動下でも生育と収量を安定させる技術を開発しています。今回提案したテーマは「農業×植物エネルギー=未来」。植物強化剤「プラントコール」を深谷ねぎの栽培へ取り入れ、高温に負けにくい新たな栽培方法をつくることを目指します。
植物は太陽光を利用して炭水化物をつくり、それを成長や開花、結実などに使います。しかし、厳しい暑さにさらされると、光合成の効率が低下し、植物の中に十分なエネルギーを蓄えにくくなります。その結果、生育不良や収量低下が起こりやすくなることが、近年の農業現場で大きな課題となっています。
提案内容について
「プラントコール」は、葉緑体の働きを高め、光合成によってつくられる炭水化物を増やすことを狙った植物強化剤です。植物が生み出すエネルギーに余裕ができれば、根や葉の生育を支え、作物の肥大や品質向上にもつながる可能性があります。今回の提案では、深谷ねぎの生産現場で効果的な使用時期や方法を確かめます。
特に検証したいのが、苗の段階から資材を使用する方法です。生育の初期に植物の根張りを促進させることで、その後の生育を加速し、一般に長い期間を要するねぎ栽培の期間を短縮できる可能性があります。収穫までの期間を短くできれば、担い手が減少する中でも生産を維持しやすくなり、農家の作業負担や経営面の改善にもつながります。
実証では、資材を使用した区画と使用しない区画を比較し、生育や収量、品質の違いをデータとして集めます。その結果を基に、深谷ねぎの栽培条件に合った使い方を整理し、再現できる一つの営農モデルへ仕上げます。我々は、現場再現率を高めるための独自の資材カスタムノウハウを50年以上蓄積してきました。これを基に、企業と提携農家の両方にメリットが生まれる形をつくることを重視しています。
DEEP VALLEY Agritech Award 2026に応募したきっかけは?
応募のきっかけは、さいたまスーパーアリーナで開かれた農業関連イベントでした。アメリカで活躍する農業系スタートアップの講演や、日米の農業事業者が交流する場に参加し、国内外の企業を巻き込みながら農業を盛り上げようとする深谷市の姿勢に魅力を感じました。自社の技術もこの環境で実証したいと考え、応募しています。
弊社は、DEEP VALLEYを短期的な実証だけで終わらせず、企業と長く関係を築きながら技術を地域へ根付かせようとするプログラムだと捉えています。活動委託費は、深谷ねぎの現場へ資材を持ち込み、使用区と未使用区を比較する実証や、データを収集して地域に合った使用方法を確立するために活用する予定です。
最終審査に向けては、提案をさらに深谷市の農業実態へ近づけるため、生産者や関係者への聞き取りを重ねます。現場で本当に求められる使い方を見極め、植物の力を引き出す新しい栽培方法を深谷市とともにつくることを目指しています。
