私たち株式会社きゅうりトマトなすびは、2023年に東京大学発のスタートアップとして設立されました。社名は、最初に手がけた施設園芸ソリューションの対象作物「きゅうり・トマト・なす」に由来しており、身近な野菜から農業の未来を広げていくという思いを込めています。
提案したテーマについて
「農業×生成AI」というテーマのもと、最先端のAI技術と現場の知見を融合させ、次世代型の農業基盤づくりに挑んでいます。
提案内容について
私たちが提案するのは、生成AIとデジタルツイン技術を組み合わせた「AI農業基盤」の構築です。農業は従来、人の経験や勘に大きく依存してきました。しかし、気候変動や担い手不足が進む中で、データを活用した持続可能な農業への転換が求められています。
この基盤の中核をなすのが3Dセンシング技術です。作物の茎の太さや花の位置、開花から収穫までの日数、さらには病害虫の兆候までも立体的に捉え、生育状況を数値化します。これまでは人の目に頼っていた作物の判別や栽培判断をAIが補い、精度の高い解析を可能にします。
また、栽培管理の記録についても、従来は農家がノートに書き留めたり、複雑な入力システムに頼ったりする必要がありましたが、私たちのサービスではLINEにチャットで入力するだけで作業記録が自動生成されます。AIは過去のデータも引き出して整理し、さらに次の栽培作業をアドバイスしてくれます。
こうした仕組みを支えるのが、私たち独自の農業AIエージェント群です。「ノウレコ」はチャット入力から作業記録を生成し、「ノウプラ」は生産者と対話しながら進捗や環境条件に応じて栽培計画を立案、更新します。これらが相互に連携することで、生産者一人ひとりに最適化されたアドバイスや作業指示が可能になります。
さらに私たちは、個別の農家にとどまらず、地域全体でAIを活用する仕組みを提案しています。JAや自治体と連携し、産地全体の知見を集約することで「産地の農業AI」を構築します。これにより、新規就農者もベテラン農家の知見をAIを通じて共有でき、産地全体の底上げにつながります。すでにある地域のJAと連携しており、農林中金グループのAgriweBと協業する形で「栽培アシストAI」としてサービス提供を開始し、有料ユーザーも広がっています。
DEEP VALLEY Agritech Award 2026に応募したきっかけは?
今回のアワードは、以前から注目していた取り組みでした。案内をいただいたことをきっかけに、深谷という産地全体でAIを活用していく構想と、自社のビジョンが重なると感じて応募しました。深谷市は全国有数の産地として知られていますが、同時に人手不足や高齢化といった農業全体の課題も抱えています。だからこそ、ここでAIを活用した新しい農業モデルを築くことには大きな意味があります。
私たちが目指すのは「深谷AI」と呼べるような仕組みです。産地としての深谷を、AIの力でさらに強く、持続可能にしていきたい。農家が日々の記録を残すことで知見が積み上がり、それをAIが整理して返す。この循環が確立すれば、地域全体の競争力が高まり、新規就農者にとっても安心して挑戦できる環境になります。
最終審査に向けて、私たちは単なる研究開発にとどまらず、実際に産地全体を盛り上げる社会実装を見据えています。深谷市をモデルケースとして、日本の農業に新しい標準を打ち立てていくことを目標にしています。
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